夢見草子

桜の別名を夢見草といいます。徒然なるままに休み続ける日々。

日記 2/23

友人と出かけた。休みの日(最近ずっと休みだけど)は朝ごはんを10時くらいに食べてしまうので昼過ぎに待ち合わせてもすぐランチの店に入る気になれない。友人もお互いそうだったのでありがたかった。

少し駅前を散策して、喉が渇いたところで喫茶店に入った。しばらくカフェインもNGなので、ジンジャエールを頼んだ。薄い飴色がかった透明な炭酸飲料を想像していたら、削られた生姜がたっぷり沈んだものが運ばれてきた。混ぜても混ぜても生姜そのものの味が濃かった。しばらく風邪を引かないで済みそうな気がする。

友人は元彼との共通の友人で、久しぶりに元彼の話を聞いた。恋愛は結局どちらが悪いわけでもないし、どっちも良くなかったりするのに、ずっと許せないでいる自分がしんどかった。別れた当初から、共通の友人だから言いたかったことを、共通の友人だから言えなかった。でも、こんなに身体を壊してまで我慢することなんかじゃないやと思った。今日、初めて我ながら情けないけどまだどこか許せないでいることを話し始めたら思わず泣いてしまった。

身体を壊した原因の全てが恋愛のせいではないし、勢いで元彼なんかに責任をすべて追いやることはしたくないし、そんなことしたところで具体的にどうしてほしいわけでもない。謝られても、たとえいつか先に死なれても、許せないものは許せない。人が人につけた傷は、張本人が癒せるようにできていない。悲しみも痛みも、自分で振り返るのをやめる勇気が多少必要だけど、新しい楽しい思い出で埋め尽くされていくうちに、うまく濁されて記憶の奥に流されていく。

それでも、今自分の体を支配する痛みや鬱蒼とした重たさを1秒でも早く取り除けるなら、全部誰かのせいにしたかった。全てが嫌だった。逃げ出したかったけど、どこにも逃げ場がなかった。苦しかった。辛かった。本当に辛かった。

母に死なれた時より辛かった。

愛する人が死んでしまってもう二度と会えないことより、今せっかく同じ時間を生きている人に裏切られることの方がよっぽど辛い。

午後の混み合う駅前の喫茶店でいい大人が泣いているのを、向かいの席の友人は静かに慰めてくれた。余計なことは言わず、ただ励ましてくれた。心に沈んだものがいくらか軽くなった。

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少し電車に乗り、降りた駅から桜で有名な目黒川沿いを歩いた。川沿いは街中より風が冷たかったけれど、川に向かって生え揃う桜の枝の先がほんのりピンク色で、春の近さを知った。チョコレート専門店が突然現れて、ホットチョコレートを買った。優しくて甘くて美味しくて、顔の筋肉が久しぶりに温まった気がした。桜が咲いたら人がすごいことになりそうなので、冬のうちにまた来れたらいいな。