夢見草子

桜の別名を夢見草といいます。徒然なるままに休み続ける日々。

はたらくおんな

 

あしたは土曜出勤日だ。

といっても、私の仕事相手は主に他社の人たちで、その人たちが土曜日でおやすみなのだから、あまりやることがない。

雑用や仕事に役立つ資格試験の勉強でもして過ごそうとおもう。

 

社会人になって、一年半が経つ。

思ったより大変なこともあるし、こだわりやプライドを捨て、諦めの気持ちを持たないとやってられないこともあるが、少しずつ自分なりに楽しむコツを掴み始めたかんじがして、そこまで嫌になることもなく続けられている。

 

それでも、唯一ずっと苦手というかしんどいことがある。

化粧だ。

私は化粧がとにかく苦手だ。できればしたくない。家から出ない日はまぁしない。

 

苦手な理由として、まず手先が不器用で化粧品をうまく使いこなせない。

男だから、女のくせに、みたいな考え方はよくないと誰だかわからないような人たちまであちこちで声を上げる時代で、「ヒトの顔なんてこんなにでこぼこしているのに、そこに思い通りに細い線を引くのが女なら当たり前」みたいな思想を率先してどうにかしてほしい。

加えて、非体育会系出身の運動不足ゆえに顔から汗をかきやすいし、なにかを塗りたくった肌はうまく呼吸できていないような感覚になる。

そんな私の主な化粧は以下の通りだ。

乾燥肌なので化粧水で潤いを与え、さらに水々しいジェルタイプの日焼け止めを塗り、てきとーにマスカラでまつげの長さを整えてたらリップを引いて終了である。

肌が弱いのか、化粧をあまりしてこなかったせいで耐性がないのか、化粧下地との相性が悪く、買ってみて合わなければすぐ肌が荒れてしまう。お試し的に、もっと少ない量で安く売ってはくれないものかと日々思う。

ほんとに気持ちばかりの化粧なので、すっぴんで出勤していると思われようと構わない。と当初は思っていた。

しかし、毎日のように服も化粧もバッチリな女は意外と多い。

身だしなみが完璧な人は、会議で大したことを言わなくても、なんなら議事録要員で一言も喋らなかったとしても印象に残る。

 

社会人として、自分の考えを持ち続けることが一番の基礎として不可欠だ。

それをいつ、誰に伝えるのか、またどのように伝えるのかはタイミングが重要だったり、時にはあえて黙って過ごしたほうがよかったりもする。

 

黙って過ごしたほうが賢明な時ほど、相手に与える印象はとても大切だ。相手への態度やマナーももちろん大切なのだが、悲しいことに、それ以上に見た目の清潔感は重要だ。

 

そう思って去年、勢いで化粧品メーカーの個人レッスンなるものを受講した。化粧上手な友人はいくらでもいる(というか周りの同世代の女性はだいたい皆化粧との付き合いがうまい)のに、高額な費用をかけてプロに意見を求めたのは我ながら極端な行動だったと思う。

その体験はなかなか貴重だったので、また別で紹介したい。

 

それから、なるべく頑張って化粧をしている。

仕事で、やむを得ない状況に陥ってしまった時、見た目で相手に負けるのは、何よりも嫌だ。

私は気合を入れて毎朝化粧をし、時にやっぱ無理めんどくさいやってなって手を抜いたりする。

 

それでも、今日は頑張って化粧をしているぞ、朝から自分のために頑張ったのだ!と思ったりするだけでいつもより自信が持てたりする。

化粧ってすごいんだなと今更ひしひしと思う。

女に生まれ、女として生きていく以上、私は明日の朝はもちろん、いろんな場面で化粧とのたたかいを繰り返すのだろう。

そんな長期戦に備えて、夜は早く眠るようにする日々だ。