夢見草子

桜の別名を夢見草といいます。徒然なるままに休み続ける日々。

日記 3/19

今日も一冊本を読んだ。町屋良平さんが芥川賞を取った、ボクサーが主人公の小説。小説というより詩のような言葉の使い回しや、漢字とひらがなのバランスの雰囲気がよかった。中でも、「海辺」を「海べ」と表記するのがなんか好きだなと思った。ひらがなひとつつくと、うんと穏やかであまり冷たくなさそうな海が感じられた。長くない本なので昼休みだけで1/3を読み終え、その後退勤後にスタバで最後まで読んだ。

その後、予約していたカイロプラクティックへ行った。前回は携帯の見過ぎか眼精疲労が酷くて頭と首のマッサージが激痛だったので、携帯を触る時間を減らして読書に当てたのでいくらか楽になっているだろうと思ったら真逆で超激痛だった。

思えば昨晩は、春のせいにして買ったちょっと高いシャンプーの香りがあまりに強すぎて頭痛を起こし、あまり眠れなかった。加えてそんな状態で朝井リョウの小説を夢中で読み耽っていた。頭痛は放置するは同じ姿勢で何時間も過ごすはで首から上のすべてが悲鳴をあげていて、どこを押されても叫んでいた。と言っても頭痛は放置したくてしたのではなかった。病院から飲んでいる薬は市販の鎮痛剤と飲み合わせが悪いと聞いていたから飲めなかったし、カイロの先生を真似て素人が頭部を変にマッサージしてもより痛みが広がる可能性があるから、だったら自然治癒をと思った。残念ながら見事に朝まで何の解決ももたらしてくれやしなかった。仕事中眠くならなかったのが不思議だった。

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帰宅すると朝飲んだ紅茶の甘酸っぱい香りが部屋いっぱいに満ちていた。飲み終えたティーバッグをビニール袋に入れず、直でゴミ箱に入れたせいだ。とはいえ嫌なにおいではなかったし、むしろいい香りだった。お気に入りのお茶屋さんの、冬限定のホットワイン風のフレーバー。茶葉から丁寧にお茶を淹れるようなマメさは持ち合わせていないので、ティーバッグタイプを毎年冬になるとたくさん買う。今朝飲んだのが、今冬の最後の一つだった。コートを脱ぎながら換気扇のスイッチを入れてこの日記を書き始めて何分か経った。だいぶ部屋は無臭になった。何でもない朝の光景からもひとつずつ、着実に冬が終わっていくし、こんな風に自分の手で終わらせる冬もあるのだと、生まれた瞬間を合わせたら27回めの冬の終わりにして知った。