夢見草子

桜の別名を夢見草といいます。徒然なるままに休み続ける日々。

ぱりぱり

 

静寂に包まれた部屋の向こうから、ぱりぱりと音がする。ゴミ袋の中から。

 

ゴミ箱の中で、細かいゴミをまとめた小さなビニール袋たちがぎゅうぎゅうになっていたのでいい加減大きなゴミ袋に移して捨てた。そんな密着していたビニール袋がゆっくりと空気を含んで、カサカサとぱりぱりと音をたてて、体を伸ばすようにゆっくりと、くしゃくしゃさを保ったまま、戻っていっているのだろう。

 

私の住むマンションの一階には、24時間住民が使えるごみ置き場があるので、何曜日までにアレを出さなくちゃという感覚がない。引っ越したら大変なんだろうなと思う。

 

次引っ越すなら、部屋がもう1つあるところで、リビングと寝室をわけたい。そうしたら、玄関前のゴミ袋のささやくような呼吸の音なんて忘れてしまうのだろう。